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柏の城について
柏の城(かしわのしろ)について
概要
柏の城は、現在の柏町3丁目の志木第三小学校辺りにあった中世の城跡です。
柏の城の記載がある文献などは限られており、詳細は伝わっていませんが、現在までの知見によると、柏の城は、室町時代中期に関東管領山内上杉家の重臣であった大石氏によって築かれ、後に小田原の北条氏の支配下に置かれますが、戦国時代の最中に廃城したと伝わっています。
そして、江戸時代中期に記された『舘村旧記(たてむらきゅうき)』には廃城後の柏の城近辺の地図が描かれており、柏の城の構造を知る上での貴重な資料となっています。
それによると、志木第三小学校の校地に本丸(本曲輪)、その東側に二之丸(二の曲輪)、長勝院があったあたりに西之丸(西の曲輪)が築かれ、これらの南側に三之丸(三の曲輪)、その更に南側には大堀が築かれていたようです。
発掘調査の成果
柏の城は、埋蔵文化財包蔵地である城山遺跡(しろやまいせき)内に位置しています。
城山遺跡は、令和6年度までに第1地点から第107地点までの調査が実施されており、次第に柏の城の様相が明らかになってきています。
下の地図では、現在までに発掘調査で見つかっている柏の城の堀の痕跡と思われる溝跡を示しています。
中でも、市史編纂のために行われた昭和55(1980)年の調査では、三之丸の大堀(1M)が幅約12m、深さ約4mにも及ぶ大規模な堀であったことが判明しています。
その他にも柏の城に関連すると思われる多くの溝跡が見つかっており、今後も柏の城の歴史を物語る発見が期待されます。
城山遺跡の出土品を埋蔵文化財保管センターや郷土資料館にてご覧いただけます。
現地説明看板の設置場所
看板名をクリックすると、看板設置場所を示すGoogle mapへ移動します。