ごあいさつ

 志木市立教育サポートセンターは、お子様の養育や教育上の悩みに対して、心理学専門の相談員が相談に応じている教育機関です。

 志木市の子どもたちが、「明るく・楽しく・のびのびと学び、ふるさと志木市の未来を拓く大切な人材に育ってほしい」と願いながら相談活動を行っています。

 このような願いを形にする一つの取り組みとして「e子育てQ&A」を作成しました。「子どもの行動をどのように理解したらよいのだろう」、「子どもの発達が気になるのだが」などについてQ&A形式で答えるものです。いわば、教育相談の入門編です。

 「なるほど、こういう見方もあるのか」、「へぇ、こんな考え方もできるのか」、「ちょっとしたひと言で子どもはこんなことを学んでしまっているのか」といった軽い気持ちで目を通していただければと思います。

 お子様のことでご心配なことなどありましたら、気軽に教育サポートセンターへご相談いただければと思います。

男の子のイラスト女の子のイラスト

内容

  1. 不登校に関すること

  2. いじめに関すること

  3. 性格や行動に関すること

  4. 心身の発達に関すること

  5. 学校での学習や生活に関すること

  6. 友人関係に関すること

  7. 就学に関すること

不登校に関すること

Q.子どもが学校に行きたくないと言っています。どうしたらよいでしょうか?

A.「子どもが行きたくないと言っているのだから無理して行かなくても」と考える方もいらっしゃるようです。これが1日や2日の一過性のことであればよいのですが、長期にわたって登校しないことは、学力面への影響が心配されます。学力は、日々の小さな積み重ねでつくものです。やがて社会に出て自立することを考えると、その適応力への影響も考えておく必要があります。

 登校渋りを軽く考えることなく、早めに相談することをお勧めします。

 それでは、不登校の子どもに未来はないかと言えばそうではありません。それを乗り越える経験を通して、自立の力をつけることもできます。

 大切なことは「子どもの将来のために」という気持ちで、保護者と関係者がいっしょになり登校渋りと向き合うことです。


Q.不登校とはどういう状態をいうのでしょう。また、原因はどんなことが考えられるのでしょうか?

A.不登校というものについて文部科学省は、次のように定義しています。「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しない、あるいはしたくともできない状況にあるため年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」としています。

 また、不登校への対応の基本的姿勢として、特定の子どもに特有の問題があって起こることではなく、どの子どもにも起こりうることと捉えています。

 さらに、不登校が継続することは、本人の進路や社会的自立のために望ましいことではなく、その対策を検討する重要性について述べています。

 一方、その要因・背景は多様であり、教育上の課題としてのみ捉えるのではなく、家庭への働きかけなどを行うことで改善を図る必要があるとも指摘しています。

 子どもたちは、未来を拓く大切な人材であることから、不登校状態が長く続くことは社会の活力にも影響を与えることと考え、学校・家庭・地域・関係機関が一体となって対応することが望まれます。

 不登校状態になるきっかけとしては、宿題などの提出物が出せない、友達とのトラブル、先生に叱られてしまった、何もかも面白くない…などなど、誰もが経験するような小さなことから始まっているようです。

 大人から見れば小さなことでも、子どもから見れば一大事ということはよくあることです。子どもの「問題」というより、子どもの「悩み」として捉えてあげることが大切です。その悩みを理解してくれる人がいるだけで子どもにとっては大きな勇気につながり、人への信頼感も学ぶことができます。このような小さなことの繰り返しが、不登校の予防につながることと考えられます。

 登校を渋り始めたら、早めに相談することをお勧めします。


Q.不登校が続き、すぐに学校には行けそうもありません。学校以外で学業を保障できる方法はないのでしょうか?

A.不登校を乗り越え、社会的自立をさせるために学校復帰を目指すことは、大切なことです。しかし、不登校が長引き、すぐに学校へ通うことが難しい子もいます。生活のリズムを整えさせ学校復帰ができるよう、あせらずに考えていかなければなりません。

 教育サポートセンターでは、適応指導教室「ステップルーム」を開設し、一人ひとりに応じた指導やカウンセリングにより、心理的ケアを行っています。また、欠席状態にある児童生徒の学習を学校以外の場でも保障していく個別指導「ホームスタディー」も行っています。相談員と教育支援員が心のこもった支援にあたりますので、お早めにご相談ください。ステップルームやホームスタディーで学習した場合は、在籍校の出席扱いになります。

 詳しくは、次のページをご覧ください。

不登校ゼロを目指す事業の充実≪適応指導教室(ステップルーム)≫

不登校ゼロを目指す事業の充実≪ホームスタディー制度≫


Q.学校に行きたくないという子を無理してまで学校へ行かせる必要があるのでしょうか?

A.「学校へ行く意味って何だろう」といった疑問は、誰もが一度や二度は考えたことがあると思います。「学校へ行く意味」をインターネットで検索してみると、たくさんの悩みや素朴な疑問が出ています。投稿者の多くは中・高校生です。それぞれの経験に裏打ちされた内容も多く見られ、その答えの多くは「やっぱり学校には行くべきだ」というものです。

 理由として挙げられているのは、学力の問題の他に

  1. 成功や失敗を体験しながら人間関係を学ぶ。
  2. 集団生活のルールなどを学ぶ。
  3. 実社会で必要とされるものの基礎を学ぶ。

といった内容です。

 学校へ「無理してまで行かせる必要があるか」ということですが、さまざまな理由による抵抗感もあると思いますが、行かない選択より「学校へ行けるための環境」を整える努力が重要です。そのためには、子どもの行きたくない気持ちをそのまま受け入れるのではなく、将来に影響することと考え、少し登校を渋り始めた段階から学校や専門機関に相談し、いっしょに解決策を探ることが大切です。

授業参観のイラスト

いじめに関すること

Q.うちの子が学校でいじめられていると言っています。どの程度のことを「いじめ」というのでしょうか?

A.いじめの基準については、文部科学省で定義を設けています。それによると「子どもが一定の人間関係のある者から、心理的・物理的攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの」とし、「いじめか否かの判断は、いじめられた子どもの立場に立って行うよう徹底させる」と示されています。これは、いじめられていると感じたらそれを大切にしようという考え方です。相手が「いじめではない、遊びだった」と主張しても、いじめられていると感じている子どもの立場を優先するという考え方だと思われます。

 心理的いじめには、仲間はずれ、陰口、無視、脅し、物隠し、インターネットによる誹謗中傷などが考えられます。物理的いじめには、殴る、蹴るなどの暴力行為があります。これらの中には、犯罪行為と考えられるものもあります。


Q.子どもから学級にいじめがあると聞いています。保護者として何かできることがあるでしょうか?

A.集団があれば、いさかいや口げんかなどトラブルはあるものです。乗り越えられるトラブルであれば、それを乗り越えることを通して、人の気持ちを察する力や話し合うことで解決できるといった、将来役に立つ能力を身につけることにつながります。

 子ども同士で解決できそうな口げんか程度であればよいのですが、それがエスカレートしたり仲間はずれや暴力を伴うけんかにまで発展したりしそうであれば、大人のサポートが必要になります。大きないじめ問題に発展しないようにするために、大切なこととして次のようなことが考えられます。

  1. 自分の気持ちを話すことができる環境づくりに努める。
     質問のように「学級にいじめがある」と話してくれることが解決への一歩です。家庭でも学級でも、日常的に安心して相談できる環境づくりが大切です。自分のことだけでなく友達のことも話題に上がるような家庭環境が望ましい姿です。
  2. 心配なことがあれば学校に情報提供したり相談したりすることを日常化する。
     冒頭の説明のように、集団があればトラブルはつきものです。これを成長への契機と生かすこともできます。解決する経験を通して、大人になってからのトラブル解決に役立つと考えてはいかがでしょう。
     まずは、相談あるいは情報提供と考えて、保護者と学校が一体となって問題解決にあたることができます。いじめ問題も同様です。
  3. 専門の相談機関に相談する。
     学校に相談し、解決への見通しが立たない場合は、子どもの安心・安全を最優先に考え、教育サポートセンターや県などの相談機関に相談してください。

※「家庭用いじめ発見チェックシート」について
 埼玉県教育委員会では「家庭用いじめ発見チェックシート」を作成しています。いじめの早期発見の手がかりになります。また、各種相談機関も紹介しています。

 家庭用いじめ発見チェックシート.pdf [606KB pdfファイル] 掲載の相談機関のうち一部変更がありますので、次の「相談機関一覧」をご参照ください。

 相談機関一覧.pdf [56KB pdfファイル]  


Q.いじめを未然に防止するために心がけておくことは、どんなことがあるのでしょうか?

A.いじめ問題は、発生を未然に防ぐことがもっとも重視されることから、学校はもとより関係者間での共通の目標と方針、一貫した指導が重要です。常に危機意識を持ち、日ごろから子どもの変化の様子を把握し、日常の予防教育を欠かすことのないようにしなければなりません。「いじめは絶対に許されない!」と、子どもたちへ毅然とした態度でくり返し教えることが大切です。

 実際にいじめられたときやいじめを見たときには、具体的にどういった対応をすればよいのかを話し合うことも大切です。いじめは、自分の子どもが被害者になるだけではなく、加害者になることもあります。いじめる側の子どもの多くは、さまざまなストレスを抱え込み、それを発散できずに家庭でも居場所がないこともあるものです。家庭と学校が子どもにとって安心できる場所であることが、最大のいじめ防止策であるかと思います。前述の家庭用いじめ発見チェックシート.pdf [606KB pdfファイル] を参考に、子どもの日々の変化を見逃さないようにしてください。

元気な家族のイラスト

性格や行動に関すること

Q.すぐにケンカをしてしまいます。もう少し穏やかになってほしいのですが?

A.ひと口にケンカと言っても、その原因や理由はいろいろです。自分の思いどおりにならずに腹を立てて我を通し力を誇示する場合や、意見の対立からケンカに発展する場合などです。

 子どもはどんどん成長していく存在です。ケンカも成長するための材料と前向きに考えることもできます。

 力を誇示するためのケンカは、早めの対処が必要です。トラブルを解決する有効な手段は、ケンカであると学習してしまうことが心配されるからです。このように学習してしまうと友達との良好な人間関係を築くことが難しくなってしまいます。将来、社会生活を営む上での懸念材料にならないとも限りません。

 具体的な対処法としては、自分も相手も大切な一人ひとりであることを繰り返し教えることです。その前提条件として「大切にされている自分」を実感させることです。「称賛を受けた子どもは評価することを覚える」、「批判ばかりされた子どもは非難することを覚える」という言葉があります。

 次に、意見の対立から始まるケンカについてです。

  「ケンカするほど仲が良い」という言葉があります。子どもの場合、なかなかその域に達するのは難しいと思われますが、その入口にいると考えることもできます。この場合の対処法としては多様な見方や考え方があり、それを話し合うことそのものに意義があることを教えます。その際のルールは、相手を傷つけないこと、一致点を求めようと努力すること、相手をやりこめることが目的ではないことです。

 いずれにしても、起こってしまった子どものケンカは、次の成長への機会と考えることが大切です。万が一、相手にケガをさせてしまった場合など、保護者が謝る姿勢を見せることで「大切にされている自分」を自覚し、成長につなげることができると考えたいものです。


Q.すぐに嘘をつくので困っています。どのような働きかけが考えられるでしょうか?

A.嘘にもいろいろなタイプがあります。子どもの場合には、主に2つのタイプがあるようです。「自分を守るための嘘」と「自分を良く見せるための嘘」です。

 自分を守るための嘘は、小学校低学年くらいまでに多いようです。例えば、寝る前になってお母さんから「宿題やったの?」と聞かれ、本当はやっていないのに「やったよ」、「今日は宿題出なかったよ」と嘘をつく場合です。

 連絡帳を見ればわかることなのですが、「まだやっていない」と本当のことを言うと、「今頃になってやっていないだなんて、今まで何をしていたの」と叱られることが経験上わかっています。その苦痛から逃れるために、自分を守ろうとしてついてしまう嘘です。嘘をつくような環境になっていないか、振り返ってみることも必要です。

 大人は、嘘をついたのだから叱られて当然と考えがちですが、大切なことは嘘によって何を隠そうとしているかです。宿題で出された勉強がわからないのかもしれません。宿題忘れで困る子どもはいても、宿題忘れを良いことだと思う子どもは一人もいません。困っていることに寄り添ってあげることができたら、その子は嘘をつかなくて済むでしょう。

 「今日はまだ宿題をやっていないようだけど、何か困っていることがあったら相談してほしいな」などと聞いてみたらどうでしょう。

 一番望ましくないのは、連絡帳で宿題があることを承知しながら「宿題はないの?」、「ないよ!」、「連絡帳にちゃんと書いてあったわよ。嘘をつくんじゃありません」。これは宿題を心配しているというより、嘘をつくかどうか試しているように思えます。子どもの人格も尊重したいものです。

 次に「自分を良く見せるための嘘」についてです。このタイプの嘘の背景には、何かしら満たされないものがあり、人から好かれたい、人の目を自分に向けたいという気持ちから、そうさせる場合が多いようです。また、人に必要以上に物をあげたりするなどの行為も同じ心理と考えられます。

 子どもの嘘と向き合う時に大切なことをまとめてみます。

  1. 嘘をついてまで何か隠そうとしていることはないか。
  2. 嘘をついてまで良い子と思ってもらいたいという気持ちがないか。
  3. 嘘をついての成功体験を多く重ねていないか。

 子どもを信用することは大切ですが、信用しすぎて「大人はだませるもの」ということを学ばせてしまっては後々たいへんなことになります。

 いずれにしても「どんなことでも本当のことを言ってくれる方がうれしい。そうすれば、一緒にどうすればよいか考えられるでしょう」というメッセージを日頃から伝えておくことで、子どもの中に安心感が生まれ、嘘をつかなくてすむ子どもに育っていくと考えられます。


Q.なかなか言うことを聞かないで困っています。どうにかしたいのですが?

A.ある心理学者は、人を動かすには3点セットが必要だと言っています。

  1. 相手の気持ちをくみ取る。
  2. その上で、こちらの言うことを言う。
  3. フォローをする。

 子どもが「お母さん、ザリガニ捕ってきた」と元気な声で帰ってきました。どう出迎えるかによって言うことを聞くか聞かないか決まるようです。「まあ、汚い手。洗っていらっしゃい」と出迎えるか、「どれどれ、見せて」と出迎えるか。

 もう、おわかりかと思います。「お母さん、ザリガニ捕ってきた」という元気な声はうちの人に見てもらいたい、自慢したい気持ちからです。見てもらいたくて帰ってきたのに、その返事が「まあ、汚い手。洗っていらっしゃい」では、子どもの心をくみ取っていません。「何だよ、僕の気持ちなんかどうでもいいんだ。手なんか洗うもんか」となってもおかしくありません。

 「どれどれ、見せて」と出迎えた場合です。「わあ、すごい。大きなザリガニだねぇ」これだけで子どもは自分の気持ちをわかってもらえたと満足するでしょう。「これだけ大きければ手も汚れるわよね。洗ってきたら」とこちらの伝えたいことを続けると、「ハイ!」と素直に聞き入れると思われます。

 さらには、夕食時にでも「今日捕ってきたザリガニ、大きかったわよね」とフォローアップするという具合です。

 叱って言うことを聞かせるという手法は、あまり効果的ではないようです。子どもの気持ちをくみ取るよう意識してみると、見方が変わり余裕を持って接することができるようになり、結果的に子どもは言うことを聞くようになるものです。


Q.忘れ物が多くて困っています。少しでも減らしたいと思っているのですが、どうしたらよいでしょうか?

A.忘れ物は狭くとらえると物や道具を指しますが、ここでは宿題忘れや人との約束を忘れるなど広い意味で使わせてもらいます。

 大人のスケジュール帳や書き込み式カレンダー、冷蔵庫へのメモ貼付など、どれも「忘れ物防止」のための道具です。記憶に頼るだけでは、忘れ物は防げないということです。忘れ物を防ぐには、道具が必要だということがわかります。

 忘れ物を減らす方法は「記録」です。学校で忘れ物をしない記録の道具は「連絡帳」です。連絡帳の大人版がスケジュール帳です。連絡帳への記録を習慣化することは、大人のスケジュール管理につながっていきます。したがって、大人になってから苦労しないためにも、ていねいに見ていきたいものです。

 予防策として2つ考えてみました。

  1. 連絡帳に目を通すことを習慣化する。
     連絡帳に記入されているかどうか、保護者が目を通すことが大切です。小学校1年生段階からが望ましいのですが、それが過ぎたとしても手遅れと思わず、忘れ物が多いとわかった段階からでも目を通すようにすると良いでしょう。
     慣れるまでは負担感があると思いますが、「あなたがちゃんとやってさえいれば」と言ったりしないで、「一緒に頑張ろう」という励ます姿勢が大切です。連絡帳に書いてきたら、「よく頑張ったわね」というねぎらいの言葉をかけたり、カレンダーにシールを貼るなどして努力の跡が見えるようにして、習慣化を図るのも一つの方法です。
  2. 学校の先生との連絡を密にする。
     連絡帳に書くことが苦手な子はいるものです。黒板の文字を書き写すことが苦手であったり、書くこと自体に時間がかかったりと原因はさまざまです。学校での様子を先生に相談してみることが大切です。前述したような家庭での取り組みのほか、担任の先生にも声かけをお願いしてみてはどうでしょう。少しでも改善が見られたら、その様子についても先生にお知らせし、習慣化を図りたいものです。

Q.時間を守ることが苦手です。何か良い方法はないでしょうか?

A.子どもは夢中になると、時の経つのも忘れるものです。遊びなどに夢中になり、「またたく間の時間」を経験できる子どもは幸せであるとも言えます。このような時間が情緒を育み、豊かな人間性につながっていきます。

 子どもは、楽しい今の時間がすべてになり、別の約束や宿題を忘れてしまいがちです。時間を守ることが苦手な子どもに多いタイプです。このような傾向や「瞬く間の時間」の大切さを十分に理解し、時間を守るよう取り組む姿勢が求められます。

 もう一つ、苦手なことから逃れるために「時間だけが過ぎてしまい」、結果として時間を守ることができなくなってしまうタイプの子もいます。このタイプの子どもの場合、相手の気持ちをくみ取ることからスタートすると良いと考えます。子どもの持つ苦手意識を十分理解してあげて、次に時間を守ることの大切さについて伝えていくという方法です。

 時間を守る方法としては、「約束する」ことです。発達段階にもよりますが、できるだけ子どもの側からの約束にしたいものです。

 発達段階との関係で説明しますと、小学校2年生くらいまでは他律的(大人の言うことをよく聞き入れる段階)であるのに対して、小学校3年生くらいからは自律的(自分の行動は自分で決めたい)段階に入っていきます。

 小学校3年生くらいからは、親の側からする約束は指示に近いものに感じられ、抵抗感が伴います。そこで、子どもが外に遊びに行く場合を例にしますと、「5時までには帰ってきなさいよ」というより、「何時頃までに帰ってきたらいいと思う?」と子どもに考えさせ決めさせます。安全上、心配な時間を答えた場合は、「今の時期だと暗くなって、ちょっと心配だなあ」と再考を促します。このやりとりが子どもには嬉しいのです。自分で決めることを認めてもらっている成長感覚と、自分のことを心配してくれている親の気持ちが伝わってくるからです。

 また、子どもの側から約束したのにそれが守れなかった場合には、「信用」や「信頼」について少し大人っぽい話し合いができます。親の側から出した指示の場合は、「何で親の言うことが聞けないの?そういう子はうちの子じゃありません」といった関係になりがちです。できるだけ子どもの自尊感情を大切にしてあげることです。


Q.家のお金を持ち出して困っています。何か満たされないものがあるのでしょうか?

A.子どもが家のお金を持ち出したとしたら、その原因として次の3つのことが考えられます。

  1. 自分の欲しい物を買うため
  2. 人に何かを買ってあげ、友達関係を深めるため
  3. 人からお金を持ってくるよう強要されているため

 1.についてです。欲しい物は誰にでもあります。それをかなえる手段として家の金を持ち出すことはいけないことであるという意識が、まだ十分育っていないように思われます。また、見つからなければ不正をしても良いという考え方があるかもしれません。この2つの意識を正しく持たせる良いチャンスと考え、親子でしっかり話し合い、間違いを繰り返さないという約束をすることが大切です。

 話し合いの際に気をつけることは、親としての悲しい気持ちを伝えることは大切なことですが、「そんなことをする子はうちの子ではありません」といった見捨てるような言動は避けたいものです。子どもにとって親から見放されることほどつらいものはありません。その存在まで否定するような言動は「自分はどうしようもない子」と思い込み、後々の成長にマイナスに働くことが心配です。

 親としてのショックは理解できますが、子どもは未成熟な存在です。時には間違いもしてしまいます。その間違いを繰り返さないことと、親子の絆を深める機会にする姿勢が大切です。

 2.についてです。比較的ありがちなケースです。このような動機によるお金の持ち出しは、人とのつながり方についての意識が課題となります。欲しい物は誰にでもあり、その願いが簡単にかなえられるわけですから、仲良くなる方法として、子どもが安易に選びやすい方法でもあります。

 この問題を解決するためには、早期発見、早期対応が大切です。「○○ちゃんからもらった」や「買ってあげた覚えのないものがある」など相手の家からの情報で早期発見はしやすいものです。そこで必要なことは、保護者同士のつながりです。子育てについて情報交換できる関係ができていると対応も早くできます。親としての対応については基本的には1.と同じですが、お金を使って人と仲良くする方法では本当の仲良しにはなれないことを教えてあげるとよいでしょう。

 3.についてです。学年が上がるにつれて、いじめがエスカレートすることがあります。表情が暗かったり、食欲が落ちたり、家のお金が持ち出されたりしたら、この可能性を考えてみましょう。

 この場合、家庭内だけで処理しようとせず、警察も含め、早めに相談することが大切です。いじめが背景にあると思われる場合には、少しでも早く子どもを苦しみから救うことを第一に考えてください。

 いずれの場合にも、家庭で配慮しておかなければならないことは、お金の管理と、買ってあげていないものがあったらそれに気づくような家庭環境です。


Q.人見知りが強いように思われるのですが、どうしたらよいでしょうか?

A.子どもは、安心して戻ることのできる自分の居場所を確保することで、未知の世界に飛び込んでいくことができます。次から次へとチャレンジする子がいるかと思えば、失敗したらどうしようと心配が先に立つ子もいます。心配が先に立つ子も、内面ではチャレンジ意欲が高い場合もあります。それでも、失敗したらどうしよう、こんなことを言ったりすると笑われるかなといった気持ちが先に立ってしまう場合が多いものです。このような気持ちの持ち主が、人との関係で引っ込み思案になったりすることから「人見知り」と言われたりします。

 人見知りの子は、行動面においては慎重という傾向が見られますが、決してチャレンジへの意欲がないわけではありません。ですから、安心してチャレンジできる環境を整えてあげることが大切です。そのために、心がけたいことを紹介します。

  • チャレンジしたことは、結果だけを見るのではなく、チャレンジした行動を認めてあげることです。
  • 人との関係では、相手の良いところを親子で話し合えることが大切です。人への安心感を持つようになるからです。ただし、気をつけなければならないのは「○○ちゃんの○○のところがいいわねぇ」の後に、「それに比べてあなたは…」は禁句です。
  • 子どもの良さを認めることの積み重ねが安心感を生みます。特別な良さを見つける必要はありません。「あなたは、いつもニコニコしていて私まで気持ちが良くなるわ」程度で十分です。認められた子は自信を持つようになるはずです。

Q.人と仲良くなるのに時間がかかり、じれったく思われます。何とかならないでしょうか?

A.赤ちゃんは、お腹がすいたり痛みを感じたりした時、泣いて必要な助けを求めます。泣くことで欲求がかなえられることを学ぶと、次には自分を守ってくれたり大切にしてくれる人には懐き、馴れない人には人見知りをするようになります。併せて、笑ったり怒ったりすることも身につけ、コミュニケーションの世界を広げていきます。

 この一連の成長は、自然に発達しているように見えますが、周りの大人の影響を受けて成長しているのです。「子どもは言われたようにはできないが、してもらったようにする」という言葉があります。子どもが受けた心地よい言動が多ければ多いほど安心感と信頼感が高まり、相手に対しても同じようにするようになります。これが人と仲良くする入口です。「仲良くしなさい」と言われて仲良くするわけではありません。人は傷つきたくないという気持ちを持っていますから、安心感がなければ近づきません。その安心感は誰が教えるのでしょう。見本は大人です。大人同士が信頼し合い、楽しそうに話をしている姿を見て「人と仲良くすることは楽しい」ことを学びます。そして、真似するようになります。

 「人と仲良くしなさい」と言うより、人が仲良くしている姿を見せることが大切だということです。

 ここで気をつけたいことは、拙速に走らないことです。同じように良い見本があっても早く真似のできる子もいれば、慎重に時間をかけないと行動に移せない子もいます。一つ一つの不安を確かめているのです。あせらず温かく見守ってあげることが大切です。それが安心感につながり、遠回りのようでも近道になるものです。


Q.人から何か言われるととても気にしてしまいます。どのようにアドバイスしたらよいでしょうか?

A.人から何かを言われ、それを心にかけることはとても大切なことです。親が我が子の成長のためにアドバイスをしても、子どもの心に入っていかないのでは心配です。

 「とても気にしてしまう」ということには、良い面と心配な面が考えられます。

 良い面としては、相手を大切にしようとする心の動きが強いということです。人の言うことを大切に受けとめようとする姿勢ができているということです。これは、将来の社会的自立に向けて必要とされる大切な資質の一つと言えます。このような良さについては、認めてあげたいものです。

 心配な面としては、相手を大切にしすぎて自分はどう考えるのか、どうしたいのかという「自分」というものがあやふやになってしまうことです。言われたことを必要以上に気にしすぎることの背景として、自分自身への自信のなさが考えられますので、次のような対応を考えてみてはいかがでしょうか。

  1. 普段の生活の中で自尊感情を高める。
     「何で○○ちゃんのようにできないの」など、人と比較していないでしょうか。これは心理的な成長ができない代表的な言葉と言われています。「人の話をちゃんと聞くことができて感心したわよ。話す人も嬉しかったと思うわ」など、良さを認めながら自尊感情を高め、自分に自信を持たせたいものです。親子の信頼関係も高まります。
  2. 「あなたはどう思うの」という会話を増やす。
     言われたことを必要以上に気にしてしまうタイプの子は、相手を大切にするやさしい子が多いように思われます。したがって、自分自身の考えを持つことに消極的になりがちです。そんな時「あなたはどう思うの」とやさしく聞いてあげる習慣をつけることで、「自分の思い」を持ってもよいことに気づき、その思いを友達同士交流させ、仲良くなれることを教えてあげることが大切です。

Q.乱暴することが多く、友達が少なくなることが心配です。何とか落ち着いて行動してもらいたいのですが?

A.友達が少なくなってもいいと思っている子はいないはずです。むしろ友達を増やしたい、仲良くしたいと思っていながら、そのための方法として乱暴をしてしまうことが多いようです。子どもたちが乱暴している場面をよく見ると、その子なりの理由があります。「悪口を言われた」、「無視された」、「馬鹿にされた」などです。人とつながりたいと思いつつ、そのつながりが閉ざされかけている時に起きる行為であることが分かります。

 行為から見ると、強い子のように見えますが、その内面は、人とつながりたい気持ちでいっぱいです。人とつながるために乱暴し、力づくで人を従え、人とつながるバランスを取っているように見えます。時たま、その手法がうまくいってしまうことでその有効性が学習され強化されるという構図になってしまっているように見えます。心配しなければならないことは、さまざまな課題を解決する手段として暴力が有効であるという意識が定着してしまうことです。

 乱暴する子の多くは、実は自信がなかったり繊細であったりすることは良く知られていることです。何とか落ち着いて行動できるようにするためには、このような特性にアプローチすることが大切なようです。

 自信がないということは、認められる機会が少ないということです。まずは、周りの大人がその子を理解していく必要があります。乱暴は認めるわけにはいきませんが、そこに至る気持ちの繊細さや友達とつながりたいという気持ちについて「仲良くしたかったんだよね」などと理解することはできるはずです。このように、人とつながりたい気持ちを理解しつつ、「さっきはごめんね。今度は乱暴しないから遊ぼう」など、言葉でのつながり方を考えさせたり教えたりします。できたら「上手にできたじゃない。感心しちゃった。今度また乱暴したい気持ちになったら、そこから離れて、深呼吸でもして気持ちを落ち着かせてごらん。それでどうなったか教えてくれるかなぁ」など、その子の気持ちに寄り添うとともに、乱暴しない手立てもアドバイスします。これは、言葉には出していませんが、「あなたは大切な子」というメッセージにもなっています。

 繊細さへの対応も似ています。普段から自分の気持ちを言葉で表現する習慣をつけたいものです。この際のポイントとして、子どもが表現したことについて、「何、それくらいしか言えないの」などとケチをつけないことです。自分の気持ちを自分の言葉で表現することが大切なことであって、その内容価値の高低をねらいにしているのではないということを大人は強く意識する必要があります。

 自信を持ち、言葉で表現する力を身につけるようになると乱暴も自然に治まっていくものと思われます。


Q.うちの子は、すぐに他人任せにしてしまいます。どうしたら、自分から行動できるようになるものでしょうか?

A.人は、やりたいことがあり、それに夢中で取り組んでいる時ほど幸せなことはありません。

 たとえば「犬を飼いたいというので飼い始めたが、一生懸命育てたのは最初だけ。あとは親任せ。全くもう」という話はよく聞きます。

 うまくいっている家庭をみると、家族みんなで育てているように思われます。「あなたが飼いたいと言ったからでしょう」などと子ども任せにはしません。子どもだけでは難しいこと、子どもの興味はあっちこっちに広がるということを知っているからです。その興味の広がりを認めつつ、犬の世話の分担も担わせます。大切なことは本人の了解をとるということです。「約束だよ」と言いながら自覚させます。実は、この一連の流れが子どもの成長のポイントです。

 そして、子どもが実行したとしたら「約束」を果たしたわけですから、大いに称賛することが大切です。称賛を受けた子どもは「約束」と「責任」を学びます。

 他人任せにするのには、何らかの原因があり、その原因を取り除いてあげることが大切です。まずは原因を見極め、目標を定めてあげることから始めてみてはいかがでしょうか。

 「自立」させるには、自分の意思で行動できるような環境に変えてあげることも必要です。対応策を考えて実行することです。「自分から動いて良かった」と思えるような経験を増やしてあげることが大切です。時には、どのように行動したらよいのかを助言し、本人に問題を解決させるように働きかけてみてはいかがでしょうか。得意なものや興味があるものから始め、自分から行動できる環境を整えることが大切です。


Q.子どもに笑顔が少なくなってきたように思われます。笑顔を取り戻すためには、どうかかわればいいのでしょうか?

A.笑顔は、人間関係をなめらかにし、共感して相互理解を深めることができる特徴があります。子どもと教師の間にも、笑いが生まれていれば、うまくいっていると思われます。授業においても、教師が重要なポイントをおもしろい逸話や身振り、ユーモアを交えて話せば、創造性が豊かになりコミュニケーション能力が高まるかもしれません。笑顔が出る場面や笑顔のもつ意味を考えたとき、うれしいときや満たされたときには、からだの緊張もなく、自然と笑うことができるものです。勉強や遊びでも、よくわからないときは真剣な表情でも、わかったときには、笑顔が出るものです。子どもは笑顔を向けられると、自分が受け入れられていることを感じ、だんだん笑顔で応答し合うことが多くなるものです。

 それだけに子どもの笑顔が消えたときは要注意です。心の黄色信号です。子どもの心に何かが起こっていると気にする必要があります。「このような時のために親はいる」という気持ちを大切にしたいものです。

 ところが残念なことに「親には言わないでください。親に心配をかけたくないので」という子もいます。二つの意味が考えられます。一つは、言葉どおり親に心配をかけたくないという気持ちです。これは、誰にも相談しないことから自分一人で抱え込む可能性が高くなり、一人で苦しみ続けることになってしまいがちです。二つ目は、親に相談することで、それへの仕返しを恐れる気持ちです。

 このような心理が子どもたちの中にはあることを理解しつつ、子どもの表情の変化に気をつけながら気持ちを解きほぐし、受け止めてあげたいものです。学校での様子を先生に聞いてみることも大切です。学級の状況や同年代の子どもたちの傾向性などについて知ることができるからです。また、専門機関に相談してみることで、子どもの発達段階や心理状況について理解することができると思われます。

 いずれにしても、本心ではないと思われる笑いには、いち早く気づいてあげられるよう普段からコミュニケーションを欠かすことのないようにしたいものです。

  いたずらをする子どものイラスト

心身の発達に関すること

Q.最近、発達障がいという言葉をよく聞きます。どのようなことなのでしょう。子育ての仕方と関係があるのでしょうか? 

A.「発達障害者支援法」という法律があります。平成16年にできた法律です。その中で発達障がいとはどういうものかが示されています。その部分を紹介します。

 「発達障がい」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障がい、学習障がい、注意欠陥多動性障がい、その他これに類する脳機能の障がいであって、その症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいいます。

 このように示されており、脳機能の障がいであることを明確にしています。行動の特性としては、計算が著しく困難であったり、注意力に課題があり多動傾向であったり、こだわり行動があったりと、障がいによって特性は異なります。その障がいの診断ができるのは専門の医師だけです。

 よく誤解されるのは子育てとの関連ですが、専門家の意見でも脳機能の障がいであるとされています。

 したがって、子育てや学校、社会等で配慮しなければならないことは、さまざまな特性や得意なこと苦手なことを持った子どもたちがいるということが当たり前と理解し、それにふさわしい環境づくりに努力することです。音に敏感な子どもがいたら学級全体で静かな環境づくりに努めたり、特に気になる音源があるような場合には配慮したりするなどが自然にできるようになることが望まれます。

 気をつけたいことは二次障がいです。他の子どもと同じようにできないことをことさらに責めるような環境下にあっては、自尊感情が低下し、パニックになったり攻撃的になったりしてしまいます。

 得意なことや苦手なことは、誰にでもあり、あって当たり前です。その子の特性ととらえ、適切に行動しやすいように環境を整えてあげることが大切です。


Q.発達障がいにはどのような障がいがあり、どのような特性がみられるのでしょうか?

A.発達障がいと言われているいくつかの障がいについて紹介します。文部科学省が2003年に発表した「今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)」から紹介します。

  1. 学習障がい(LD)
     学習障がいは、基本的には全般的な知的発達に遅れはありませんが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す状態をいいます。読み書きがとても不得意、数の概念がわからなくて計算ができない、テストの問題の意味がわからないなどの症状がみられます。
  2. 注意欠陥多動性障がい(ADHD)
     ADHDは、年齢に不相応な注意力の不足、衝動性、多動性を特徴とする障がいで、社会的な活動や学業に支障をきたします。集団生活がはじまると、特徴が次第にはっきりしてきます。「不注意」や忘れ物が多い、気が散りやすい、指示に従えず仕事を最後までやり遂げられない、気持ちを集中させて努力し続けなければならない課題を避けるなどの症状を指しています。「衝動性」は順番を待つのが難しい、他の人がしていることをさえぎったり邪魔したりする、すぐにキレて手が出てしまうなどの症状です。「多動性」は授業中にすぐ席を離れてしまう、手足をいつもそわそわ動かしている、しゃべりすぎる等が特徴です。チックを伴っていることもよくあります。
  3. 高機能自閉症
     高機能自閉症は、(1)社会性の障がい(仲間をつくることが苦手、他人といっしょに楽しんだりすることが苦手)、(2)コミュニケーションの障がい(言葉の発達の遅れ、オウム返しが多い。ごっこ遊びや物まね遊びができない)、(3)興味や行動がかたよっている(習慣や儀式へのこだわり、同じ行動をいつまでも繰り返す)という特性をもっています。知的発達の遅れを伴わないものをいい、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定されています。
  4. アスペルガー症候群
     アスペルガー症候群は、知的発達の遅れを伴わず、かつ、自閉症の特徴のうち言葉の発達の遅れを伴わないものをいいます。関心ある領域には博士並の知識をもっていることもあり、「自分の気持ちがすむかどうか」へのこだわりがあります。また動作が不器用であることが少なくありません。

 以上が、発達障がいについての紹介です。周囲の理解と環境整備によって、その特性が生かされ、社会で活躍できるようになる人もたくさんいると言われています。


Q.周りの友達からよく「空気が読めない子」と思われているようです。どのように支援したらよいのでしょうか?

A.「いつまでいてくれるの?」と「いつまでいるの?」

 お母さんの友達が子どもを連れて遊びに来ました。子ども同士、楽しそうに遊んでいます。長く遊びたいと思った年長児のAちゃんは、お母さんの友達に聞きました。「いつまでいるの?」Aちゃんのお母さんはあわてて言葉を遮りました。Aちゃんはきょとんとしています。何か悪いことを言ってしまったのかと感じながらもわけがわかりません。

 Aちゃんの気持ちは前者なのですが…。お母さんは「まったく、もう。空気が読めないんだから」と嘆いています。

 どうでしょう、Aちゃんは空気が読めないのでしょうか。自分の気持ちを伝える言葉の使い方が、まだできなかったと理解するべきではないかと思われます。

 「また、いつかね」と言われて、「また、というのは何月何日ですか」などと聞き返して「空気が読めない人」とひんしゅくをかうという話はよくあります。

 このような場合、相手がどういう気持ちになるかということを一つ一つていねいに説明し、教えるのも一つの方法です。

 また、小学校などでみんなが静かにしているのに、一人で騒ぎ出す子どももいます。注意して直る子もいれば、なかなか直らない子もいます。このような特性のある子の場合、周囲の理解が重要です。この子の特性として理解することです。そして、大切なことはバカにしたり冷たくしたりしないことです。そして、折にふれ「静かなところで騒ぐことは迷惑なことなんだよ」と教え、次には「静かなところで騒ぐことは、どうなんだったっけ?」と聞きながら定着を図っていくことです。

 いずれにしても、その特性を理解する環境を整える必要があります。そのためには、保護者の方が子どもの特性について、学校の先生とよく相談することが大切と思われます。


Q.言葉の発音が気になります。どこか相談できるところはないでしょうか?

A.幼児期は体の発達とともに言葉も大きく発達します。でも、そのスピードは子ども一人ひとり違います。そんな中で「うちの子は言葉が遅いな、話していることがわかりにくいな」といった心配をされている方もいると思われます。発音が不明瞭であったり、吃音があったり、言語習得などが心配な子どもたちの訓練や保護者への支援の場として教育サポートセンターでは、専門の言語聴覚士が言語指導を行っています。お気軽にご相談ください。


Q.発達に遅れがあるように思われます。どの程度の発達状態か、調べてもらうことはできるのでしょうか?また、調べてもらうためにはどうしたらよいのでしょうか?

A.発達の様子を知るための検査は、発達に関する専門の病院など多くの機関で実施しています。

 教育サポートセンターでも発達検査を実施しています。志木市在住の就学時年齢から中学生までの子どもや保護者に対し、より良い教育相談を行う資料の一つとするためです。

 教育サポートセンターは志木市の教育機関であり、その子の得意なところや苦手なところを客観的に発達検査などで把握し、どのような支援が望ましいかをご家族と一緒に考えていくための資料と位置づけています。

 教育サポートセンターでの発達検査は、相談活動の効果を高めるために、保護者や本人の理解を得て行います。したがって、申込みとしては、通常の教育相談を予約することから始まることになります。

ピアノを弾く人のイラスト 

学校での学習や生活に関すること

Q.子どもが先生への不満を言ってきました。どうしたらよいでしょう?

A.学校に窮屈さやつまらなさを感じている子どももいると思われます。それが先生への不満につながっている場合もあるようです。そこで、子育てに関する2つの見方を紹介しながら、学校というものについて少し考えてみたいと思います。

 「保護的側面」と「評価的側面」という見方があります。

 「保護的側面」というのは、勉強などができるとかできないとかに関係なく保護してもらえる環境です。「ただいま」、「お帰りなさい。寒かったでしょう。コタツ温まっているわよ」などの受容的対応や学校の休み時間など、「できた、できない」が問われない時間や場所です。

 「評価的側面」とは「できるか、できないか」という見方で、できれば褒めてもらえ、できなければ褒めてもらえない、叱られることもあるという手法です。それを励みに伸びようとする子もたくさんいます。

 一般的に、家庭は保護的側面が大きく、学校は評価的側面が大きいと言われています。「家庭で温かく、学校は厳しく」が理想ですけれども、残念ながらそうはいかない現実もあるようです。学校は、もともと評価的な場所です。小学校低学年の頃は保護的に見てもらえますが、高学年や中学校になるにしたがって評価的側面が強くなります。このような段階を経て、子どもたちは少しずつ社会で自立的に生きていく準備をしていきます。

 このような流れの中にあっても、評価的側面が強すぎて「厳しすぎる」など先生に不満を感じる子どももいると思われます。

 こうした子どものちょっとした不満から先生を信頼できなくなると、勉強への影響も心配になります。まずは、保護者が子どもの不満の内容をよく聞いてあげることです。そして、前述したような家庭と学校の役割の違いを踏まえつつ、大人になるための準備と言えるような内容かどうか考えてみたらどうでしょう。

 その上で、どう考えても理不尽であると考えられるようでしたら、担任の先生と話し合ってみる必要があります。その目的は「子どもをより良く成長させるため」と、子どもの成長を最優先に考えた行動が大切です。


Q.学校がどれほど大切なものかよくわかりません。勉強だったら塾でもできると思うのですが、それだけでは足りないのでしょうか?

A.勉強は確かに塾でもできますが、学校には教科の勉強だけではないものがあります。学校教育について簡単におさらいをしてみたいと思います。

 教育基本法には、義務教育について説明されています。「義務教育として行われる普通教育は、各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い、また、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的として行われるものとする」と示されています。

 これを一言でまとめると、「社会で生きていく上で必要な力を付ける」と言うこともできます。

 学校の役割は、社会という大きな集団で自立的に生きて行くための橋渡しと考えてはいかがでしょうか。

 学校では、多くの集団活動を取り入れています。そして、学級は小さな社会のような場になっています。大人社会がそうであるように子どもも一人ひとり、さまざまな個性や特性を持っています。グローバル化が進んでいる今日にあっては、それらはいっそう多様になってきています。

 家族という小さな単位から出て、何倍もの大きな学級という単位に入る子どもたちにとって、友達とのやりとりや先生との関わりの一つ一つが大切な勉強と言えます。思いどおりにならないことも出てきます。相手にわかってもらうためには説明をしなければなりません。それがうまくいかず、トラブルになることもあるでしょう。

 大勢の子どもたちがいるわけですから、トラブルがあって当たり前と言えます。大切なことは、そのトラブル解決の過程を通して何かを学ぶことです。このような経験を積み重ねて、少しずつ大人への準備ができていきます。また、それができるところに子どもの良さがあります。

 勉強が楽しくて学校へ行きたいという子どもはあまりいません。友達に会いに行く、遊びに行くという子は多いようです。勉強も社会で生きていく上で必要な力です。同じように、集団生活を通して人間関係を身につけていくことも必要な力です。学校は、このように総合的な力をつける場所であると言えます。


Q.勉強に身が入らないようです。親がしてやれることはないでしょうか?

A.勉強に身が入らない原因は、いろいろ考えられます。心配なことや気になることがあったり、理解するのに少し時間がかかり、その間に勉強が進んでしまうなどです。

 心配なことや気になることについては、普段から子どもの様子を観察したり「何か心配なことでもあるんじゃないの。そういう時は、家族に話していいんだよ。どうやったらいいか一緒に考えるのが家族なんだからね」という言葉かけをしておきます。

 学校の先生に相談してみることもよいでしょう。学校での様子を教えてもらうことができますし、気をつけて見てもらうこともできると思います。

 勉強の内容を理解するのに時間がかかる場合は、家庭で見てあげることも大切です。その際、気をつけたいことは、親がイライラして「何でこんな簡単なことがわからないの」と叱らないことです。叱ると緊張感が増し、余計混乱してわからなくなってしまいます。時間がかかることはわかっているわけですから、親が余裕をもって見る必要があります。一つでも二つでもできるようになったら、いっしょに喜ぶことです。

 少なくとも「自分はできない人間」と思わせないようにすることが大切です。自信をなくしてしまうと勉強だけではなく友達との関係においてもマイナスになることもあります。

 子どもが社会で自立していけるようにするために、どのようなサポートができるかという視点で考えてみてはいかがでしょうか。


Q.宿題になかなか手をつけずにいます。何とかしなければと思っているのですが、どうしたらよいものでしょうか? 

A.算数の宿題を例に、人が物事を実行するにあたって共通している「6つのハードルがある」という研究があります。それを紹介しながら宿題をやった子の頑張りを認め、やることができなかった子の気持ちを理解することにつなげていただければと思います。

  1. やろうという気持ち
    家に帰れば、友達との遊びやゲーム、Jリーグやプロ野球、誘惑は山ほど…、「お母さんはテレビを見ているけど、あなたは勉強ね」などは第一のハードルです。
  2. 何をするか。そうだ、宿題だ。
    お母さんの誘惑を乗り越え「じゃあ、勉強をしなくちゃ」という気持ちになっても、やりたいことはいろいろあります。本も読みたいし教科書にも目を通しておきたいし、「そうだ、宿題があった」とやるべきことをはっきりさせなければなりません。
  3. さあ、これからがんばらなくちゃ。
    やらなければならないのはわかっているが、楽しそうなテレビの音。お母さんの笑い声。でも、がんばらなくちゃという気持ちが必要です。
  4. 気持ちのコントロール
    お母さんには宿題がなくて楽しそうなのに…。どうして僕だけ…イライラ。「やりたくないなぁ。いや、いけない。やらなければいけない」、「あした、先生が褒めてくれるかもしれない」と意欲を高める必要があります。
  5. 習ったことを思い出す。
    今日勉強したことを頭から引き出す。「あれっ、どうだったかな」、「ノートを見てみよう」、「あっ、そうだった、思い出した」。できなくてお母さんにヘルプということも。
  6. 宿題実行
    5つのハードルを越え、ようやく6つ目のハードルをクリアです。

 「宿題、やるのあたりまえでしょ」それはそのとおりですが、これだけのハードルがあることがわかると、子どもへの言葉かけやテレビ視聴も変わってくると思われます。ちょっとしたことのようですが、子どもは自分の大変さをわかってもらった時に力を発揮するものです。

 具体的な対応策としては、「忘れ物が多くて困っています」の項目をご参照ください。連絡帳の活用と学校の先生との連携について紹介しています。


Q.子どもが一日中ゲームにのめりこんでいて心配です。やめさせる方法はないでしょうか?

A. 遊びは、生活の「ゆとり」でもあり、大人でもゲームに夢中になり、のめり込んでしまうことがあるものです。遊びは自ら好きなことを行うので、その集中力や持続力には目を見張るものがあります。「うちの子は集中力がない」という親の言葉は、勉強の時を指しているように思われます。ゲームを使った遊びには、ストレス発散や人との楽しい時間の共有など効果も考えられますが、その時間が長くなることで、子どもの健やかな成長に必要な外遊びや家族との触れ合い、友達との関わり、家庭学習や読書への影響などのマイナス面も指摘されています。

 「ノーテレビ・ノーゲームデー」を設けようとする運動の広がりなどもこのような背景によるものと思われます。

 文部科学省では、メディアコントロールができるように働きかけた子どもたちとそうでない子どもたちの比較調査を行っています。テレビやゲームなどの時間や内容について、子どもたちが主体性をもってコントロールできるようにしようというものです。もちろん家族の協力も大切です。

 それによりますと、メディアコントロールの取り組みを行った子どもたちは、「今生きていてよかったと思っていますか」、「人のために何かしたいと思っていますか」、「粘土、泥、砂などにさわるのが好きですか」などの項目において高い割合になっています。一方、低い割合になっている項目は、「ときどき人やものを殴ったり、たたいたりしたくなりますか」や「ムカツクことがよくありますか」などです。

 これらのことから、観たいものやりたいことがそのままできてしまう環境は見直す必要がありそうです。

 埼玉県でも「テレビに子守りをさせないで」と呼びかける啓発資料を母子手帳交付時と健診時に配布し、直接親子が触れ合うことの重要性について理解を促していることを考えてみても、「メディアコントロール」の大切さがおわかりいただけると思います。

 次に、ご家庭でもできるメディアコントロールの例を紹介します。

  • 見る番組をあらかじめ決める。
  • ゲームをする時間を決める。(1日○分まで)
  • ノーテレビデーを決める。(第○日曜日の○時から○時まで)
  • ノーゲームデーを決める。

 いずれにしても、意思をもってコントロールする機会をつくることが大切です。

怪我をして泣いている子どものイラスト 

友人関係に関すること

Q.なかなか友達と遊べないようで心配です。子どもにどのようなアドバイスをしたらよいでしょうか?

A.子どもの中にはご心配のように、なかなか友達と遊べない子もいるものです。何ごとにも積極的な子もいれば慎重に行動したがる子もいるのと同じように、特別なことではありません。むしろ「うちの子、どこかおかしいのではないだろうか」と必要以上に気にすることの方が心配です。

 友達と遊ぶことに慎重になる子の中には、友達のことを大事に思い、「ケンカしたらどうしよう」など先回りの心配をしてしまい、友達と遊ぶことに積極さがないように見えてしまう子もいます。

 このように相手のことを大事に思う気持ちは、将来仕事をする上で相手から信頼を寄せられる大切な資質です。それは認めてあげたいものです。

 それと同時に、子どもにとっての友達との遊びは、社会性を身につけたり人の気持ちがわかるようになるために重要なことです。そこで、友達と積極的に関わるために大切だと思われることをいくつか紹介したいと思います。

  1. 友達との交流の大切さについて保護者が理解する。
    「遊ぶ暇があったら勉強しなさい」という言葉に代表されるように、勉強は価値あるもの、遊びは無駄なものといった傾向が強いように思われます。子どもの頃の遊びが大人になってどれくらい役立っているか、自分が子どもだった頃を振り返ってみるとご理解いただけると思います。健康な心身やトラブル解決力、人の気持ちの理解など、子どもの頃の遊びに支えられているものも多いはずです。
  2. 友達との交流を楽しみながら聞ける親子関係
    子どもは保護を受ける存在です。保護してくれる人の価値観によって、子ども自身の価値観も大きく影響を受けます。友達と遊んできた話を楽しそうに聞いてくれる親であれば「もっと楽しませてあげよう」と思うものです。
  3. ときどき、遊びについての価値を話してあげる。
    子どもは未成熟な存在です。遊びの中でトラブルも起こします。反社会的なことをしてしまうかもしれません。ただ単に叱るのではなく「どうすれば防ぐことができたんだろうね」と子ども自身に考えさせ、わからなければ教えてあげます。内容によっては、保護者が一緒に謝りに行くことも必要です。
    そんな時でも「遊びが悪いのではなく、遊び方が悪かったのだ」という認識に立つことも大切なことです。
  4. 我が子の友達のことを大切にする。
    子どもの友達から「○○ちゃんのお母さん(お父さん)いいなぁ」と言われている保護者が結構います。そういう子どもたちの心の言葉は、「自分達の気持ちをわかってくれる人」です。そういう保護者が増えると、子どもたちのつながりも明るく安心感のある集団になっていくものです。

 いずれにしても、子どもたちが安心して外に出ることができるかどうかが大切なようです。


Q.悪いこととわかっていても友達に言われるとやってしまいます。親としてどのような対応をしたらよいでしょうか?

A.このような友達関係は、いじめの構造に似ているところがあります。「赤信号、みんなで渡ればこわくない」式の集団に発展する可能性が考えられます。
 2つ方法があります。

 1つ目は、「一人になることを恐れてはならない。悪いことをすることの方がずっと怖いことである」と我が子に毅然とした態度で接することを教え、そこから抜けさせるという方法です。

 2つ目は、その集団全体に働きかける方法です。保護者の懸念事項と子どもたちの間で起きている事実を学校に知らせ、学校と保護者が一体となって取り組むことです。

 その際の配慮事項を紹介します。

  1. 未来展望に立って取り組みを進める
     子どもは未成熟です。間違いをしてしまうこともあるとの認識に立って、話し合いのテーブルに着くことが大切です。あってはならないことという認識に立つと、お互いを批判することに終始して展望が開けない話し合いになってしまいます。
     あってはならないことに発展させないために学校は何をするか、各家庭で子どもたちとどう接するかなど未来展望に立って話し合うことです。その際、リーダー格の子どもも、そこから抜け出せないでいる自分自身に苦しんでいるかもしれないと考えてみることも大切です。
  2. 取り組みの経過についての情報交換
     取り組み始めて効果が上がれば良いのですが、なかなか思うに任せない場合も考えられます。そのような場合、子どもたちの中にあるのは「大切にされていない自分」意識です。そういう子がいないかどうか、地域の目の活用や専門の相談機関の力を借りた方が良いのかどうか、情報交換しながら判断してはいかがでしょうか。

Q.物やお金で友達とつながろうとしているように見えます。どう考えたらよいでしょうか?

A.大人が行うプレゼントは、相手に喜んでもらうためです。子どもたちも、プレゼントをもらってうれしい経験を持っていると思われます。大人の真似をして、子どもたちがプレゼントをしたとしても何も不思議なことではありません。現に子どもでも、小遣いを使って、友達に誕生日プレゼントをするということもあるようです。

 では、それで良いかと言うと、そうではありません。

 大人が贈るプレゼントの価値は、自分で働いて得たお金や小遣いなどを割いて行うところにあります。

 質問のケースの場合、友達とつながる方法として、物やお金を使っているところに心配の種があるようです。逆に考えると、物やお金がないと友達とつながることができない、また、つながりを継続することができないと子どもが思い込んでいる可能性があるということです。あるいは、その友達の気持ちをできるだけたくさん自分の方に向けたいという心の動きが強いのかもしれません。

 このような関係で、子どもが学ぶことは「人との関係は物やお金で何とかなる」ということです。さびしい人間観です。

 また、このような価値観を持ってつながっていると、友達に物やお金をあげるために家のお金に手をつける恐れがあります。さらに心配しなければならないことは、相手に「あげる」という行為が相手から「請求される」という行為に変わっていく可能性があるということです。

 このようなことから、「物でつながる友達関係は、物が欲しいのか○○ちゃんが好きなのかわからないでしょう。物をあげなくても友達でいられるよね」などと話して、物をあげることについて考えてみる必要があります。家庭内のお金の管理についても、持ち出せないような工夫が必要です。

 校外学習のイラスト

就学に関すること

Q.よく「義務教育」とか「普通教育」という言葉を聞きますが、それはどういうものなのでしょうか?

A.「義務教育」という言葉は、憲法や教育基本法の中に出てきます。そこでは「保護する子に、別に法律で定めるところにより、普通教育を受けさせる義務を負う」、「義務教育として行われる普通教育は、各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い…」と述べられています。

 このように、義務教育とは、子どもに教育を受けさせる義務が保護者にはあるということをご理解いただけると思います。

 義務教育の期間については、学校教育法第16条で「保護者は、次条に定めるところにより、子に9年の普通教育を受けさせる義務を負う」と定めています。

 続いて「普通教育」について説明します。

 前述の「次条に定めるところにより」の次条(学校教育法第17条)には「保護者は…(中略)…小学校又は特別支援学校の小学部に就学させる義務を負う」(中学校も同様)と示されており、これらのことから普通教育とは、小学校(中学校)または特別支援学校の小学部(中学部)で行われる教育全体ということになります。なお、特別支援学級は小学校(中学校)の一つの学級であることから、小学校(中学校)に含まれます。

 大切なことは、義務教育段階で行われる教育は、すべて普通教育であるという認識です。


Q.就学の手続きについて知りたいのですが?

A.「保護者は、子の満6歳に達し日の翌日以降における最初の学年の初めから…(中略)…就学させる義務を負う」。これは、9年間の就学義務について定めた法律の一部です。これを出発点にしてさまざまな就学の手続きや就学支援について定められています。

 はじめに、就学時健康診断について説明します。

 小学校入学前に健康診断を行うことについて、法律で定められています。これを就学時健康診断(就学時健診)と言います。市町村の教育委員会は、翌年の4月小学校に入学予定者に対して、就学の4か月前までに就学時健康診断を行うことになっており、教育委員会からの案内が各家庭に届くことになっていますので、それにより就学時健康診断を受けていただきます。

 続いて、学校指定についてです。市町村立の小学校に就学する場合、どの学校に就学するかは教育委員会が指定することと定められています。これを学校指定といいます。学校指定は、入学の2か月前までに保護者にお知らせすることと定められています。

 このように小学校への就学に対して、特別な申込みなどは必要ありませんが、子どもの発育や発達について心配なことがありましたら、教育サポートセンターにご相談ください。


Q.就学のことで相談できるところを知りたいのですが?

A.小学校就学を前に、発達や行動面で心配なことがある場合の相談機関として教育サポートセンターがあります。

 教育サポートセンターには就学支援担当の相談員がおり、通年で就学相談に対応しています。お気軽にご相談いただきたいと思います。


Q.うちの子は、他の子どもと比べて、発達が遅れているように思うのですが、通常学級でやっていけるか心配です。どのように相談したらいいのでしょうか?

A.就学先の決定は、どの保護者にとっても不安が大きいものです。志木市では、「障がいのある児童生徒も普通学級で学べる教育」を目指して、取り組んでいます。子どもによっては、計算が苦手な子もいれば、集団になじめない子もいます。就学先の決定で一番大切なことは、お子さんの将来を見すえ、障がいの程度や特性だけではなく、特別な教育的手立てとして何が必要か、学校の受け入れ体制はどうか、本人や保護者の思いや考えはどうか、などをしっかり把握することです。

 現在、障がいのあるお子さんの学びの場として、(1)通常学級、(2)特別支援学級、(3)通級による指導(通常学級に在籍し、定期的に通級指導教室で指導を受ける)、(4)特別支援学校があります。この学びの場のメリット、デメリットについては、何を基準に判断するか難しい面があります。

 お子さんの就学にあたっては、志木市就学支援委員会(※)が障がいの程度などを判断し、保護者と話し合いながら決定していきます。就学前に、実際の学校を参観することもできますので、心配な点があれば、まずは教育サポートセンターにご相談ください。子どもの社会的自立を見据えて、お子さんを一番伸ばしてあげられる環境を、一緒になって考えていきましょう。

(※)志木市就学支援委員会(志木市教育委員会が諮問):学識経験者、医師、学校職員、福祉行政職員で構成


Q.特別支援学級に籍を置くと、通常学級に異動することはできないのでしょうか?

A.そのようなことはありません。児童生徒の障がいによる日常生活の困難などが特別支援学級での指導・支援により、通常学級での学習活動の方がふさわしいと判断できる場合、本人、保護者、担任、学校長及び教育委員会と相談しながら異動することができます。

 大切なことは、子どものニーズに応じたきめ細かな学習環境をつくってあげることで、児童生徒の障がいの状態を適切に踏まえた上で、どちらの環境が子どもを伸ばしてあげられるかを判断することです。通常学級においては、児童生徒の障がいの状態を踏まえた対応が求められますので、教室環境や学習内容・方法などについても配慮が必要です。

 また、「交流及び共同学習」という呼び方で、積極的に特別支援学級の児童生徒が、同学年の通常学級の教科学習や行事などを一緒にできるよう推進しています。

 通常学級の児童生徒が、同じ仲間として受け入れ、思いやりのある教育活動が図られるようにしていくことも大切で、無理のない学習や活動を選択し、細やかな配慮をすることが求められています。

入学式のイラスト 

 

 

 

 

 
 
 

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