本文
芋頭(いもがしら)
芋頭(いもがしら)
昔、舘村(たてむら)に1人の貧しいお百姓がいた。
ある年の夏、彼は田の草取りに行き、汗みどろで働くうちに昼時となったが、家に帰っても食べる物がないので、空腹のまま働きづめた。夕方近くになると空腹は一層つのり、空腹を水で満(み)たそうと、近くの小川の流れに口をつけた時、芋頭が3つほど流れて来た。
彼がその芋頭を取り上げてみると不思議なことに生(なま)ではなく柔らかく茹(ゆ)でてあったので空腹を満たすことができた。この不思議な話は村中に伝わり、いつしかこの辺りを「芋頭」と呼ぶようになった。(館1丁目付近の伝説)