平成21年12月 高齢者を寝たきりにさせない健康・医療・福祉政策について-要介護状態になった高齢者の主たる疾病から考える-

    

要介護認定を受ける高齢者は、約1,300名、認定率は約10%!

 志木市の65歳以上の高齢者は、約13,000人。高齢化率は、約18.7%です(平成21年10月1日現在)。
 このうち、介護保険の要介護認定を受けられている高齢者
は約1,300名で、認定率は約10%。県内40市では、要介護の認定を受けられている高齢者の割合は、低いランクに位置しています(平成21年4月1日のデータでは、県内40市の認定率の平均は12.5%、志木市は下から2番目)。
 高齢者福祉の担当では、志木市の高齢者が、それだけ、地域で元気に生活されている結果、と受けとめています。
 あわせて、その成果として、志木市の介護保険料が県内70市町村の中で、一番低い保険料になっている、と考えています。

要介護状態になった主たる疾病は、脳血管疾患がトップで全体の約四分の一!

 さて、要介護認定を受けられている高齢者が、要介護状態の原因となった主たる疾病は、何なのでしょうか?
 病名と人数の上位三位までを示すと、以下のとおりとなります(平成21年10月1日現在)。
※(  )内は、要介護者の人数全体に占める、その疾病者の割合。なお、主たる疾病が一つではない人もいるので、合計数は要介護の高齢者人数とは一致しません。
(1)脳血管疾患・・・約350名(約27%)
(2)認知症・・・約300名(約23%)
(3)骨折・・・約130名(約10%)

要介護5の高齢者では、脳血管疾患が全体の約三分の一を占める!

 ところで、要介護5の高齢者に絞って、同じデータを見てみると・・・。
(1)認知症・・・61名(約42%)
(2)脳血管疾患・・・48名(約33%)
(3)パーキンソン病・・・5名(約3%)
(4)廃用症候群・・・4名(約3%)
 認知症が一番多く、全体の約四割を占めています。ついで、脳血管疾患で、約三分の一を占めています。
 認知症と脳血管疾患で、全体の四分の三を占めている状況にあります。
 要介護4の高齢者でも、同じ状況にあります。
(1)脳血管疾患・・・58名(約32%)
(2)認知症・・・46名(約26%)

脳卒中の予防対策が重要!

 さて、これらのデータを踏まえると、高齢者が地域で安心して元気に生活していくためには、脳血管疾患、つまり脳卒中(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血など)の予防対策に取り組む重要性が認識されます。11月12日、13日に全国自治体病院学会が川崎市で開催され、私も出席しました。脳卒中を予防するためには、高血圧や高脂血症、糖尿病などの危険因子を取り除くこと、そのためには生活習慣の見直しが必要との講演が、リハビリテーション分科会でありました。
 志木市においても、総合健診センターを整備し、ここを拠点に特定健診・特定保健指導を積極的に行い、生活習慣の見直しをすすめているところであります。

 

脳卒中における地域医療計画の重要性!

 脳卒中の場合、身体の麻痺 など後遺症を少なくするためには、発症から救急搬送の時間、そして、急性期・回復期・維持期への切れ目のない地域医療が提供されていくことの重要性が、全国自治体病院学会のリハビリテーション分科会で強調されていました。
 志木消防署では、平成20年、97名の市民を、脳卒中で救急搬送しました。そのうち、1名は搬送先の病院で死亡、重症
38名、中等症43名、軽症15名という状況でした。
 また、119番通報から病院までの搬送時間については、60分未満が92件でした。
 現在、市民病院では、地域医療計画を策定し、脳卒中の地域連携医療の構築に取り組んでいるところであります。
 いずれにしても、高齢者が要介護状態にならないようにするため、脳卒中の予防対策に取り組むとともに、要介護の認定率を現状の10%程度にとどめられるよう、健康・医療・福祉の充実に取り組んでいきたいと思います。